チョコレート・エッセイ  by Kororon

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福砂屋のカステラ

【福砂屋】特製五三焼カステラ (1本入)

 

卵をふんだんに使って焼き上げる黄金色に輝くふわふしっとりのカステラ、一番上がこんがり茶色の屋根、黄金色のカステラの足元にはザラメが敷詰められて、ふわふわの甘さに、ざらっとした濃密な甘さが加わる、それが非常に美味。しっとり感にパンチを与えるようなザラメがないとだめ、ザラメが主張している。

 

大好きなカステラだが、悲しい思い出もある。父の友人でよく我が家に遊びに来ていたおじさんがいた、来るたびに様々なお土産を持ってきてくれる、いつも遠くから自分で車を運転してやってきた、一度など、酸素ボンベを抱えて、酸素吸入の装置をつけたまま、車を運転して訪ねてきたこともあった、高齢なのに免許証を返上することなく、キレキレの運転をしていたのだと思う。そんなおじさんが入院したと聞いた、遠くに住んでいられたのでお見舞いに行くことができなかった、なので、お見舞いの品を送ろう、ということになり福砂屋のカステラを送ることにした。

 

デパートでカステラを送ってもらって、数日が過ぎたころ我が家に電話がかかってきた、おじさんの娘さんからだった。カステラ喜んでもらえたかしら、と思って様子を聞こうとすると、娘さんから思いもよらぬ知らせを聞くことになった。おじさんが亡くなった、という知らせだった、カステラがおじさんのもとに届いたときには、すでにおじさんは亡き人となっていたという、間に合わなかったのだ。

 

福砂屋のカステラが大好き、カステラを食べるとその美味しさで幸せな気分、だけど、そんな大好きなカステラに悲しい思い出もある、おじさんが天国でカステラを食べて、その美味しさに舌鼓うち、喜んでいてくれたらと思う。

 

今回は、カステラの甘さを味わいながら、時に、懐かしい思いを甘さとともに。