チョコレート・エッセイ  by Kororon

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虎屋 和菓子 水仙紅葉重 (すいせんもみじがさね)

 

本日は「水仙」の話、水仙と聞いてほとんどの人は春に咲く草花の水仙の花を思い出すであろう、私も初めてこの銘を聞いたときに連想したのは水仙の花だった、が、水仙の花に美しさを感じたとしても、水仙の花で甘味を感じることはできないではないか。そう、和菓子の虎屋さんによると、和菓子の世界で水仙というと、葛を使った葛製の和菓子のことをさす、ということだ。

 

虎屋にはたくさんの水仙がある、季節によって様々、色とりどり、なので、どの季節でもとめても水仙を手に入れることができそうだ、が、ここで本日紹介したいのは「水仙紅葉重(すいせんもみじがさね)」

 

この和菓子を初めて知ったのはある研修会でのこと、和菓子自体はどこかで目にしたことがあったかもしれない、が、”知った” のはことのきだ。この日研修会では虎屋の社長さんによる講演会があった、その後、和菓子を作るデモンストレーションがあり、その時、作られたのが「水仙紅葉重」だった。和菓子が作られる過程は興味深かった、和菓子の名前と由来も知った、”残暑が厳しい中にも、やがて来る秋を思わせる” そんな気持ちを込めた半分が黄の餡、もう半分が紅の餡で作られた色彩も豊かな和菓子だ。

 

後日、御殿場にある虎屋の和菓子工場を訪れた時のこと、工場からは富士をいただき、この立地ならではの清水を使った菓子作りがなされていると聞いた、工場見学の後、広いホールに案内された、ここで、最後に、お茶一服と和菓子がいただけるという、うれしい見学の締めくくり。

 

そして、この時賞味したのが「水仙紅葉重」だった。実はこれには少し理由がある、工場見学の予約をするときに、少し前に行われた研修会に参加したこと、そこで、「水仙紅葉重」のデモンストレーションを見たこと、なので、ぜひ、「水仙紅葉重」を味わえないか、などを話ししたところ、最後の喫茶の時に「水仙紅葉重」を出していただける、とのことだった。無理なお願いをしたと思っていたが、快くこちらのわがままを聞き入れてくださった、虎屋さんに感謝。

 

外側を包んでいる葛からは黄の餡と紅の餡が透けて見える、なんともかわいらしく涼しげななかに、秋の紅葉の到来を感じさせる和菓子であることか。夏の終わりを感じながら、甘いひと時、残暑にも負けない、心地よい甘い涼けさ、いかがでしょうか。

 

虎屋 和菓子と歩んだ五百年 (新潮新書)

虎屋 和菓子と歩んだ五百年 (新潮新書)

  • 作者:黒川 光博
  • 発売日: 2005/08/14
  • メディア: 新書